追憶の中へ

Mei6q1  皆様、如何お過ごしでしょうか。それでは、今日の”Tetsu”をお届けします。今回は、名鉄600V線区関連を取材しました。



 12月も、東武南栗橋と岳南のイベントが終わると年末になり、年が明けると3日の上毛電鉄、その後は少し間隔が空きます。そこでイベント関連のネタはないか、と思って調べると、今月15日(明日)まで谷汲昆虫館で名鉄谷汲線関連の写真展を行っている、とのこと。間もなく閉幕だなあ、と思い、先ずは谷汲へ向かうこととしました。



 そして、少し遅い時間に、谷汲駅跡にある谷汲昆虫館に到着(写真)。左半分が昆虫館、右半分が旧谷汲駅です。



Mei6q2  先ずは右側、谷汲駅跡へ。有人時代の名残、改札横の出札口には、岐阜駅前までの運賃表が残っています(写真)。この手前右側にある待合室跡には、部品が各種保存されています。



Mei6q3  改札を抜け、ホーム跡に出ると、左右に各1両ずつ車輌が保存されています。南側1番線には、モ750形モ755が保存されます(写真)。黒野以遠廃止時に、この場所に設置されました。



Mei6q4  モ755の運転台(写真)。左手の主幹制御器(マスターコントローラー、通称「マスコン」)は、東洋電機製です。



Mei6q5  車内の様子(写真)。ロングシート、モケットは平成の初めに名鉄が多用した柄です。今でも多くの車輌で使用されています。



Mei6q6  もう一つ、2番線にはモ510形モ511があります(写真)。戦前製の丸窓、半鋼製、転換クロスシートの車輌で、人気の車輌でした。この車輌は、ドアが閉鎖され中には入れませんが、車内まで廃止当時の姿を残しています。同車は、600V線区全廃時に保存車輌になりました。全廃直前に、某RM誌が同形3両を借り切り、黒野から新関まで走る動画がDVD付録になっていました。



Mei6q7  黒野方の合流地点には手動ポイントがあり、その先には「11」(黒野起点11キロ)のキロポストがあり、その横には軌道自転車、トロッコが停まります(写真)。線路はその先の踏切跡で途切れています。



Mei6q8  そして、駅左側の「谷汲昆虫館」に入ります。先ず入口で入場料200円を払い、入場券と記念硬券を貰います。そして靴を脱ぎ、階段を登るのですが、階段から写真パネルが多数展示されます。踊り場には、金庫ではない、氷冷蔵庫の上にパネルが載ります(写真)。



Mei6q9  その横、クローゼットには水彩画が(写真)。写真も多数、2階には雪の日に走るモ750形の油絵が、2枚ありました。



 多くの人が写真を出したらしく、昆虫館のスペースでは足りないほど沢山の写真パネルが展示されていました。



 しかし、この写真展は明日閉幕、今日も私の入場に合わせ電灯を点けた位で、展示ほどの集客が無かったのか。勿体ない。



 谷汲昆虫館は、鉄道では樽見鉄道谷汲口からバス、養老鉄道揖斐からも頻発ではないもののバスがあります。無料駐車場は乗用車10台ほどで、入れなかった方は谷汲山華厳寺の有料駐車場にどうぞ。



Mei6q10  そしてこの後は何処に行こうか、と思い、近辺は大体行っているので、大津まで行こうかとも思いましたが、モ511を見てしまったので、モ514の岐阜市内金公園もありますが、もう1両のある美濃へ行こうと気が変わり、少し遠かったですが行きました(写真)。600V線区で最初に廃止になったのが美濃町線美濃~新関間で、同時に新関~関間が開通し長良川鉄道との接続が図られましたが、結局根刮ぎ全廃されました。しかし美濃駅は廃止後も保存され、車輌が保存されます。



Mei6q11  駅の改札跡(写真)。有人時代の名残が残ります。時刻表までそのままです。



Mei6q12  出札横には、私鉄路線案内の絵地図を多数描いた「吉田初三郎」の手による、美濃町の鳥瞰図が掛かります(写真)。関東から関西まで描いた、本当に人気絵師です。



Mei6q13  改札を抜けると、ホーム跡が。3番線には、モ590形モ593があります(写真)。同形モ591及びモ592は、土佐電気鉄道にて赤色塗装のまま、現役で活躍しています。なお、同車の緑白のツートンがオリジナルだそうです。600V線区全廃間近の頃には、同車は岐阜工場の隅でお休み中でした。



Mei6q14  同車の車内(写真)。ロングシートで、モケットも同じです。



 運転台のマスコンは、東洋電機製でした。AL車です。



Mei6q15  1番線から眺めた図(写真)。左から、モ593、モ512、モ601です。



Mei6q16  モ512の運転台(写真)。マスコンは、ウェスティングハウス製で、舶来品です。なお、同車はALではなくHLです。



Mei6q17  モ601の運転台(写真)。マスコンは、上部は無名で、側面に黒いプレートが貼られ、それに書かれているとは思いましたが、それをその場で判読することは不可能でした。そこで写真を撮っておけば、後で画像調整で見られると思い、スピードライトを点け撮りました。帰宅後その写真を見ると、これも「Westinghouse」と刻印されていました。これもHL車です。花巻電鉄の「馬づら電車」ほどではありませんが車体幅は細く、更に貫通路も装備されているために運転台は非常に狭くなっています。屋根にはクーラーではなく主抵抗器が載っているために冷改が出来ず、美濃~新関間廃止時に真っ先に廃車され数が減り、600V線区末期には1両のみ残る系列でした。



Mei6q18  新関方からの眺め(写真)。右からモ593、モ512、モ601で、左に1両増えています。これはモ876の前頭部で、1番線ホーム上に載っています。



 同車は元々連接車で、ヘッドライトのスタイルから分かるように元札幌市電であり、連接車が不要となった札幌から2編成入線しました。しかし600V線区全廃で全車引退、前頭部のみ残ります。



 そしてまだ日は高かったのですが、近辺に取材ネタが無かったため、帰途に就きました。



 かつては名鉄のネットワークの一翼を担った600V線区。名鉄の努力にかかわらず最終的には全廃となり、路線延長は一気に減り、私鉄第3位に転落してしまいました。実際乗っていても「普段は誰も乗っていない」なんて話を地元の人がする位で、非常に残念な結果となりました。今さら悔いても仕方ないことですが、せめて今残るもの位は、今後とも残して欲しいものです。



 やはり、「鉄道ファンだけの乗り物」では、維持できません。「駅まで行く少し不便」を上回る何かが、問われるのでしょう。今も営業する鉄道にも、それは問いかけています。



 それでは、次回をお楽しみに。

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Author:Seichiro
電車ばかり撮っている中年です。甥からは「おじちゃん」と呼ばれます。

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